「かかりつけ」で切り開く薬局経営の未来

関東圏を中心に26店舗の薬局を展開し、独自に「薬局のセカンドオピニオン®」に取り組むなど、常に業界の最先端を走り続ける「株式会社トラストファーマシー」。今回はかかりつけ薬局・薬剤師についてのお考えと取り組み、そして今後の展望についてお話をお伺いしました。

取材:2020.11.30

お話しいただいたのは、白水専務取締役、棚田先生(たから薬局浅草店 薬局長)です。
※以降、敬称略
※役職は取材当時のもの

会社組織として「かかりつけ」に注力

ーー 白水
当社では「かかりつけ薬局・薬剤師」に力を入れております。具体的にはこれら3つの活動に取り組んでいるところです。

  • 採用
  • 人材育成
  • 患者様への周知

まず、最重要視しているのは「採用」です。当社の理念や考え方に共感してくれる方を採用するようにしております。また選考の中で「この人が選ばれる薬剤師になれるか」を意識して見ております。

次に人材育成については、「かかりつけ同意取得数」などを個人目標に組み込み、評価に反映されるようにしています。

そして患者様への周知にも注力しています。「かかりつけ薬局・薬剤師」という概念自体、まだまだ患者様に浸透していないため、ポスターやリーフレット、動画の制作などを継続的に行っています。

「かかりつけの先」を見据えた「薬局のセカンドオピニオン®」

ーー 白水
「かかりつけ」の先にあるものとして、当社独自に「薬局のセカンドオピニオン®」を始めました。

薬局が医療と介護のハブとなることで、患者様にさらなる付加価値を提供するために実施しております。

  • お薬、お食事、栄養に関する悩み
  • 疾病や医療機関に関する悩み
  • 介護に関する悩み

こういった様々なお悩みについて、専門知識を持った薬剤師・管理栄養士が総合的にサポートするというサービスです。

患者様には無料でご提供しており、2018年6月から現在までで、約300件超のご相談に対応しました。

「かかりつけ」を重視する理由は患者様に「真に選ばれる」ため

トラストファーマシー 専務取締役 白水氏
お話をうかがった株式会社トラストファーマシー 専務取締役 白水 氏

ーー 白水
当社がこれほど「かかりつけ」を重視する理由は大きく3つあります。

1つ目は、当たり前のことですが、患者様から「真に選ばれる」薬局・薬剤師になるため。

2つ目は「かかりつけ薬剤師制度」が始まった際、この「かかりつけ」がスタンダードになっていくのだろうと考えたため。

そして3つ目は、マーケティング理論の基本となりますが、「かかりつけ」に取り組むことで患者様の気持ちを主体的に汲み取り(消費者理解)、活躍できる人材に成長することができるためです。

「選ばれる」ことの重要性を再認識

ーー 白水
2020年、全国的に新型コロナウイルスの感染が拡大したことを機に、患者様から「選ばれる」ことの重要性を再認識しました。

特例措置として薬局を含む医療機関では0410対応が始まり、オンライン診療・服薬指導の流れが加速しました。医療業界がどんどん複雑化し、その流れは今も勢いを増しています。外出抑制、外来受診控え、オンライン化が進んだことで、患者様のライフスタイルが様変わりし、これまで当たり前に応需していた処方箋にも影響が出てきています。

もはや立地の優位性が無くなったと実感しましたね。会社として強い危機感を感じた次第です。

薬局の現場で、「かかりつけ薬剤師」として患者様の命を救う

トラストファーマシー 薬局長 棚田先生
お話をうかがった株式会社トラストファーマシー 薬局長 棚田先生

ーー 棚田
患者様から「選ばれる」薬局・薬剤師になるために、現場では患者様一人ひとりと信頼関係を築くことを大切にしています。

まずは常日頃から「今日は寒いですね」など、本当に些細な会話をする。これが第一歩です。

「誰でもいい」は嫌だ

ーー 棚田
とにかく気軽に話しかけてもらえる存在になるために、こういったことに注意をしています。

  • 明るく接する
  • 常に笑顔で対応する
  • 患者様の目を見て話す

すごく当たり前のことかもしれませんが、こうした積み重ねが、信頼関係を築くと考えています。

私は「薬剤師なら誰でもいい」と患者様に思ってほしくありません。ですから「私が患者様だったら、どうしてほしいだろう?」と常に考えるようにしています。

薬局に求めるものは患者様ごとに異なりますのでそれぞれのニーズに合わせ、丁寧な対応をするように心がけています。

薬剤師だからこそ聞けることがある

ーー 棚田
そのように信頼関係を築いていくと、少しずつ患者様からも「この薬剤師さんなら何でも聞ける」と思っていただけるようになり、いろいろな相談や質問をしてもらえるようになりました。

相談内容は多岐にわたりますが、よくあるのは食品や市販薬と、処方薬との飲み合わせについてです。その他には

  • 医師には言えないけど、実は薬を飲んでいない
  • 医師と(性格的に)合わない気がする
  • もっと近くに良い病院はないか

など、なかなか医師には相談しづらいものが多いです。こういった相談は、患者様と直に接してきた薬剤師だからこそ答えられるものだと思います。

例えば「薬を飲んでいない」という相談であれば、まずはなぜ飲んでいないのかをお伺いし、その理由と場合によっては医師にフィードバックしたうえで薬や剤形変更の提案をするなどの対応を進めていきます。

残薬がある場合や、病院・医師との相性は患者様のQOLにも直結しますので、一人ひとり丁寧に対応していきたいです。

薬局・薬剤師が「かかりつけ」で患者様の命を救う

ーー 棚田
かかりつけ患者様からの相談で特に印象に残っているのが「いつも歩いている道なのにふらふらして歩けない。薬の影響かな?」という52歳男性からの相談内容です。

そういった症状が出る薬は服用されていなかったため、近くの脳神経外科を受診するようお勧めしました。その後すぐに受診していただくことができ、そのまま入院することに。

後に軽度の脳梗塞だったことがわかりました。早期発見できたことで、患者様から感謝のお言葉をいただくことができ、改めて日頃のコミュニケーションの重要性を実感しました。

ーー 白水
この事例はかかりつけ薬剤師冥利につきますね。日頃から患者様と信頼関係を築いてきたからこその貢献だと思います。

患者様の中には、体調に変化があっても「こんな些細なことで」と受診することを躊躇う方も多いです。そのような時こそ、薬局で相談してほしいと思っています。そして、薬局が地域における医療と介護のハブになる事を目標としています。

薬局・薬剤師全体で「かかりつけ」に取り組みたい

白水専務取締役、棚田先生のインタビュー中の様子
インタビュー中の様子

ーー 白水
「かかりつけ医」という概念はすっかり定着している一方「かかりつけ薬局・薬剤師」は、患者様にとってはまだまだピンとこない状況だと思います。

そのため、薬局業界全体で「かかりつけ薬局・薬剤師」の取組みを推進できないかと思うのです。

薬剤師はまだ100%の力を発揮できていない

ーー 白水
というのも「薬剤師の力はまだまだこんなものじゃない」と思っています。現状、本来持っている力の5〜6割ほどしか発揮できていないのではないでしょうか。

医師の場合、開業したら自分が広告塔となり、ホームページの作成から診察すべてに至って、患者様に「選ばれる」よう模索します。

薬局・薬剤師も同じような意識・自信を持つべきです。

もちろん薬剤師という性質上、ミスをしてはいけないという危機感は必要です。そのうえで、「薬剤師の私にまかせて」と胸を張り、患者様に「真に選ばれる」ような姿勢でいるべきではないでしょうか。

積極的な姿勢を軸に「かかりつけ薬剤師」となれば、薬剤師の持つ力を100%発揮できます。

まずは「選ばれる」ところから。数字はあとから付いてくる

ーー 白水
今後、業界的にも薬局経営は更に厳しくなっていくことは間違いありません。患者様や地域の方から頼りにされ「選ばれる」ということが重要になってきます。

しかしながら間違ってはいけないのは、追うべきは数字ではなく「良い仕事」であるということです。薬剤師にとっての「良い仕事」とは、「かかりつけ薬剤師」を通じて親身に寄り添い、患者様へ安心感や納得感、そして、お困りごとを解決することだと思います。

結果は後から付いてきます。ですから、当社ではかかりつけの算定で利益を出そうとは考えておりませんし、ノルマも設けていません。

大切なのは「かかりつけ」という取り組みを積極的に行動し、どれだけ患者様と繋がることができるかということです。売上や利益は、その結果として付いてくることでしょう。

棚田先生らトラストファーマシースタッフがkakariを利用する様子
トラストファーマシー様ではかかりつけ薬局化支援アプリ「kakari」を通して、
オンラインでも患者様とコミュニケーションを取られています

会社全体で「かかりつけ薬局・薬剤師」制度に取り組まれ、業界全体を盛り上げていきたいと語るトラストファーマシー様。より深く患者様と繋がり、信頼関係を構築する方法を常に模索されていらっしゃいます。

そのための手段の1つとして、かかりつけ薬局化支援アプリケーション「kakari」をご利用いただいております。今ではkakariの登録患者数も全社目標に組み込まれたとのことです。結果、非常に大きな成果を出しておられます。

参考:
患者様との繋がりを大切に kakari活用で目指す「選ばれる」薬局づくり|トラストファーマシー様|kakari導入事例

kakari事務局としましても、保険薬局業界全体で「かかりつけ」を盛り上げていきたいと考えております。

皆さまの薬局が患者様に「選ばれる」ことを支援させていただきたく存じます。ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひ下記のページより資料をご請求ください。

かかりつけ薬局化支援アプリ「kakari」
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